🌀 ブローとアイロンそれぞれで起きる、応力緩和とクリープの理論 | 縮毛矯正専門店レスキューヘア

【A】フルウェットツインブロー(応力緩和と冷却によるクリープ)

① 💨テンションによる応力緩和
フルウェットの状態でツインブラシを使い、根元から毛先にかけてテンションをかけながらブローします。一度のブローでは形状の維持(クセが伸びた状態)もされませんが、このとき、髪の内部で「応力に対して反発する力」が働き、髪の分子構造が引っ張られることで応力緩和が起きています。

💨ドライヤーでの急速な水抜きブロー(応力緩和)
①テンションによる応力緩和を複数回繰り返すことにより、水分が蒸発して水素結合が一時的に切れるため、髪がクセの無い形状を一時的に維持します。応力緩和を繰り返した状態ですが、この時点では深層部までの定着は不完全です。

💨冷却することによるクリープ状態の定着
テンションを掛けたブローを繰り返し、②ドライヤーでの急速乾燥乾燥を起こしながら、ノズルのエアフローの外側で冷やしている状態により、テンションを維持したまま冷却され水素結合が再形成されることで、クリープ状態となり髪内部の結合が新しい形状に定着します。クセが戻りにくくなりますが、深層部までは影響が届かないため、2剤処理してもクセが戻る状態で完全な定着とは言えません。

※本資料は レスキューヘア菊地(@kiknona) による独自検証に基づき作成したものです。無断転載・複製は固くお断りします。

📝 ブロー(フルウェット)におけるクリープの特徴

  • メカニズム:冷却による形状固定
  • 対象:表面と浅層
  • 形状保持力:中程度(湿度に影響されやすい)
  • 結合:主に水素結合
  • 定着時間:短時間で固定

【B】アイロン(応力緩和と高温を維持するクリープ)

④ 🔥テンションによる応力緩和
根元の強いクセに対してアイロンをかける際、髪を強く引っ張る(テンション)ことで髪の内部構造が引っ張られ、応力緩和が起こります。クセが強い場合は一度のスルーでは形状維持は出来ませんが、髪の内部で「応力に対して反発する力」を掛ける応力緩和を行っています。

⑤ 🔥繰り返しスルーアイロンによる応力緩和
④のテンションを掛けたアイロンで髪内部に複数回熱を加えることで、タンパク質結合が一時的に軟化し、クセが伸び戻らなくなります。ただし、この時点では深層までの定着は不完全で2剤処理を行ってもクセが戻る場合があります。熱置き不足の状態になります。

⑥ 🔥熱置きプレスによる形状固定(クリープ)
⑤の複数回のアイロンで、クセが一時的に戻らなくなった状態に対して、熱置きのスループレスアイロンで、熱をゆっくり深くまで浸透させることで髪内部の構造が再構築され、新しい形状が安定します。このとき、クリープ状態となり髪は水素結合だけでなく疎水結合や架橋結合も再形成されるため、形状保持力が非常に高くなります。

※本資料は レスキューヘア菊地(@kiknona) による独自検証に基づき作成したものです。無断転載・複製は固くお断りします。

📝 アイロンにおけるクリープの特徴

  • メカニズム:温度維持による形状固定
  • 対象:内部と深層
  • 形状保持力:高い(長期的に安定)
  • 結合:水素結合 + 疎水結合 + シスチン結合
  • 定着時間:時間をかけて定着

【C】ブロー(冷ます)とアイロン(熱を維持)の比較

特徴💨ブロー時のクリープ🔥アイロン時のクリープ
メカニズム冷却による形状固定温度維持による形状固定
対象表面と浅層内部と深層
形状保持力中程度(湿度に影響されやすい)高い(長期的に安定)
結合主に水素結合水素結合 + 疎水結合 + シスチン結合
定着時間短時間で冷まして固定時間をかけて熱で定着

※本資料は レスキューヘア菊地(@kiknona) による独自検証に基づき作成したものです。無断転載・複製は固くお断りします。

【まとめ】

🌀 ブロー(フルウェット)とアイロンの違い

  • ブローは冷却が鍵で、水素結合に依存。
  • アイロンは高温での形状記憶が鍵で、より強固な内部構造を形成。
  • 両方を組み合わせることで、戻りにくい縮毛矯正が可能になる。